現在4/26 20:49 早速だが以下の画像を見てもらいたい。

 現在270PVだ。絶頂期の1/3程度しかアクセスがない。
 これはもはやgoogleアルゴリズムの妙としか言いようがないだろう。

 長く続いたキラー記事のサイサイことSILENT SIRENと

 同じくキラー記事のヤバTことヤバいTシャツ屋さんのトレンドが過ぎてしまえばこんなもんさ。

 が、これはこれで良かったとも思える。
 アクセス数と収益にとらわれて好きに書けないくらいならやらない方がいい。

 最近ポップだったり、有名どころだったりが続いて食傷気味になっていたところだ。
 美しい・楽しい・明るい・気持ちいいから反対のところ。
 暗い・怖い・気持ち悪い。そんな音楽。

 その多様性が俺は好きだ。
 そして美しい・気持ちいいは簡単に手に入る。
 皆が聴いているし、皆の好きはスーパーなどでも流れて指数関数的に否が応でも耳にねじ込まれる。

 その観点から行くと気持ち悪い音楽は簡単に手に入らない、探さなければ手に入らないので価値が高いのだ。

 気持ち悪い音楽、ノイズ、インダストリアルの始祖とも呼ばれる。
 普通に暮らしていたら触れられない、が触れた人をどんどん虜にして侵食するバンド。

Throbbing Gristle

 スロッピング グリッスル。
 1975年にイギリスにて結成され、幾度となく解散と再結成を繰り返され2010年に活動を停止しているが、現在でも復刻版が発売されたり未発表曲が発表されたりする長く愛されているバンドである。しばしばTGと略される。

 英語で「脈打つ軟骨」という意味で、男性のペ〇スの隠語。もうこれが世界で聴かれているってだけで価値が高い。
 google翻訳にかけると「ズキズキグリッスル」と翻訳されてちょっとおもしろい。

 彼らThrobbing Gristleは【インダストリアル・ロックの元祖】として名高い。
 デヴィッド・ボウイ、 Marilyn Manson 、 Nine Inch Nailsが影響を受けている。

 んでその耳慣れないインダストリアルってなんだってばよっていうのがこの動画。代表作にしてデビュー作。
 1978年5月に発表された『United』実に41年前である。

 この『United』は彼らの中でもとてもポップな部類に入るであろう。
 そう。サビらしくなく、無機質で金属叩いているような音だったりシンセサイザーが中心な音。
 明るさとは正反対の真顔になっちゃう音。

 バンドの紹介として代表作を紹介したが、私のなかではかなりポップだ。
 ここからかなりディープな世界に入っていくことだろう。

20 Jazz Funk Greats

 1979年12月。TGは3作目のアルバム【20 Jazz Funk Greats】をリリースした。
 イギリスの雑誌Factが1970年代の最高のアルバムと名付け、バンドの最高の作品として賞賛している。

 アルバムのカバー写真は、世界で最も悪名高い自殺スポットの1つとして知られているイギリス南岸のチョーク岬、Beachy Headで撮影された。
 
[wpap service=”with” type=”detail” id=”B075184H8K” title=”20 Jazz Funk Greats [帯解説・歌詞対訳 / 2CD / HQCD(高音質CD)仕様 / 紙ジャケ仕様 / 国内盤] (TRCP220/221)”]

 このなかで最後2曲にLIVE版の『Discipline』という曲が収録されている。

 ほぼほぼアドリブなこの曲、というか、TGってほぼほぼアドリブなんじゃないだろうかとか思うが、この動画のバージョンはとても気持ちが悪く、ノイズで、ポップと逆行して、異形な音楽だ。
 だが事実、TGは音楽シーンのみならずその後のカルチャーやアートに多大な影響を与え続けている。

 本編のアルバムの中では『What A Day』という曲がカッコイイ。

 あなたはどう感じるだろうか?ただただ気持ち悪いだろうか?
 それともノイズの中に芸術性を感じるだろうか?
 それとも?

2010年解散

 1977年11月、「産業社会に生きる人々の為の産業音楽」という風刺を効かせたキャッチコピーと共に、インダストリアル・ミュージックというジャンルを作り出し、新たなる音楽の可能性を切り開いた衝撃のデビュー・アルバム【The Second Annual Report】発売。
 
 その後2度の解散を経験する。1981年と2010年だ。
 1981年はメンバー間トラブルだったので再結成できたが、2010年はPeter Martin Christopherson が睡眠中に死亡してしまったことで決定的となってしまった。

 白シャツのおじさんがChristophersonだ。
 先ほどまでの動画を見ている人はボーカルのおばさんをみて「ボーカル変わった?」と思ったことだろう。
 ボーカルのGenesis P-Orridgeは2人の娘がいるが、3rdジェンダーだ。
 
 紅一点のCosey Fanni Tuttiは『ART SEX MUSIC』という自叙伝を発表している。

[wpap service=”with” type=”detail” id=”4909483055″ title=”アート セックス ミュージック (ele-king books)”]

 一見あまりにも地味すぎるキャラのシンセサイザーのChris Carter。
 だが、彼の電子機器メカニック能力がなければTGは単なるどマイナーなアヴァンギャルド・グループのままであった。

 そんな濃いメンバーが作る音楽が

I want to make you happy just a little
I want to find you something which is certain
I found nothing lying, weeping, bleeding

 こんな切なげで冷たい曲も書けたりする。
 ただ不気味でうるさいだけがノイズ・インダストリアルではない。
 
 ロックやポップスといった流行の裏側で、常に熱狂的な支持者がいるタイムレスなバンド。
 2017年から2018年、デビュー・アルバムから40周年を記念したリイシュー・シリーズが企画され、その第一弾として『The Second Annual Report』『20 Jazz Funk Greats』『The Taste Of TG』の3作品が再発されたほどだ。

 40年の時を経て今それぞれの道で活動している。
 機会があればメンバーのそれぞれも追ってみたいと思う。
 
 それでは。

[wpap service=”with” type=”detail” id=”B0061ZJ9FK” title=”グレイテスト・ヒッツ”]
バンドサウンド特化型音楽レビューO.S.A.P.
Review Date
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20 Jazz Funk Greats
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